2014年07月20日

「プロローグ 受験英語の巨星・伊藤和夫」


「プロローグ 受験英語の巨星・伊藤和夫」

 抗癌剤の副作用と激痛のもとで、伊藤和夫は『予備校の英語』の原稿を1行また1行と、あえぐように書き進めていた。病院のベッドに横たわる彼の腕にも鼻にも、たくさんのチューブが取り付けられている。
 入院前の伊藤は毎日深夜2時すぎに起きて、予備校のテキストや模擬試験の作成、雑誌の連載記事や単行本の執筆という膨大な仕事を驚異的な速さで進めていた。その勇姿はもうない。
 病室を訪ねた編集者の心配する声を振り切るかのように、伊藤は言った。
 「僕には時間がないんだ」
 こうして1997年(平成9)年1月中旬、『予備校の英語』の最後の原稿を編集者に手渡した。
 1週間後、伊藤は静かに息を引き取った。
 遺著となった『予備校の英語』が出版されたのは、その年の12月だった。この本は、予備校教育に生涯を捧げた伊藤和夫が、その強靭な思索と実践によって書き上げた英語教育論の集大成であり、遺言だった。その最後のページは、炎のような言葉で締めくくられている。

「 英語教育の何たるかを知らぬ人が結局は大学・高校・中学の英語を支配している状態、それを何とかしなければ英語教育の未来は暗いというのが、最近の筆者の実感である。」

pp2

 伊藤の著作は数多く、「書いた原稿1万ページ、売れた本1000万冊、教え子100万人」という説すらある。伊藤は山手英学院英語科主任時代の1964(昭和39)年に刊行した幻の名著『新英文解釈体系』をはじめ、『英文解釈教室』(1977)、『英文法教室』(1979)、『英語長文読解教室』(1983)、『ビジュアル英文解釈(T・U)』(1988・89)、『ルールとパターンの英文解釈』(1994)など数多くの英語参考書を執筆し、いずれもベストセラーになっている(本書第5章と6章で詳述)。
 ところが意外なことに、受験英語界の巨星となる伊藤自身は英語の受験勉強を経験していない。伊藤が一高に入学した1944(昭和19)年は太平洋戦争末期で、敵国語である英語が入試から排除されてしまったからだ(本書161頁)。そのため、伊藤は山崎貞や小野圭次郎などの著名な受験参考書をほとんど使っていない。既存の参考書の影響を受けなかったことが、『新英文解釈体系』に始まる独創的な英語学習書を生んだ一因かもしれない。山崎や小野らの英文解釈法は、伊藤にとって乗りこえるべき仮想敵となるのである。
 受験英語の洗礼を受けていない伊藤は、英語に苦手意識を持っていた。そのため、一高では「英語会」というサークルに属し、1ヶ月に500頁から1000頁の英書を読むという課題をこなした。サークル内では、1000頁を超すトルストイの『戦争と平和』の英訳版を1日足らずで読み飛ばすという壮絶な多読競争も行われたという。
 のちにカリフォルニア大学の英文学教授となるマサオ・ミヨシ(1928〜2009)を英語会に誘ったのも伊藤和夫だった。ミヨシはノーム・チョムスキーやエドワード・サイードとも親しかったが、伊藤を「僕が人生で出会った中で最も頭の良い男の一人」で、一高での成績はいつも1番か2番だったと回想している(『抵抗の場へ』32頁)。伊藤はカントをドイツ語で読み、フランス作家の作品をフランス語で読み、英米の現代小説をミヨシに紹介した。このころ伊藤は悪性の結核を患っていたが、彼の命を救ったのは、アメリカ占領軍で働いていたミヨシが軍から横流ししてもらった抗生物質のおかげだった。成績優秀な伊藤は助手として東大に残ると思われていたが、大学卒業後は予備校に就職し、周囲を驚かせた。

pp4


 伊藤和夫は哲学科出身だけに、思索と体系化の人だった。否定は発展のモメントだというが、伊藤も自著に対して仮借のない批判を加えることで、たえず進化をとげた。たとえば、第6章で詳しく述べるように、彼の最初の単著『新英文解釈体系』(有隣堂、1964)は、「主語+動詞+[ X + X ] 」と「修飾・非修飾」という2つの原理で英文解釈の方法を体系的に叙述したもので、その後の「伊藤英語学体系」の骨格を形成した歴史的な文献である。だが、この本に対して伊藤は「若さに特有のひとりよがりに満ちています」(『予備校の英語』175頁)と厳しく自己批判し、周囲に見せようとさえしなかった。首尾一貫性と体系性を追求するあまり、出題の頻度や重要度といった学習参考書としての使いやすさを犠牲にしてしまったからである。しかし、参考書という制約を除けば、『新英文解釈体系』は、S+O+V型の文型に親しんだ日本人がS+V+O型の英文を頭から読むときの思考の流れを意識化させ、その視点から英文の基本構造を独自に再構成し、首尾一貫した原理で体系的に叙述した、英語教育史に残る画期的な著作である。
 1966(昭和41)年に駿台高等予備校に移籍すると、そこでの思索と実践をふまえて、伊藤は『新英文解釈体系』を進化させた名著『英文解釈教室』(研究社、1977)を刊行する。しかし、この本に対しても伊藤は次のように自己批判する(『予備校の英語』54〜55頁)。

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 「直読直解への具体的な方法の一つの提示」(同書「はしがき」)と名乗るにはこの本は徹底性を欠き、線の方向性にこだわることによって開かれる展望がいかに豊かでありうるかについての見通しもなかったこと、それが二十年の歳月を通してふり返った場合の筆者の最大のうらみであった。
 『解釈教室』の執筆当時、筆者は従来の参考書と異なった総合的視点と説明の論理的方法を発見したという喜びまたは思いこみに夢中で、研究論文を書くことと、学生向けの参考書を書くことのちがいがわかっていなかった。従来から重要とされてきた構文や、その存在に気づかれていなかった構文のいかに多くが、「新しい」観点により統一的体系的に説明できるかを誇示することに熱中するあまり、それが果たして学生に必要であるかどうかに思いいたらなかったのである。
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 前半は直読直解という伊藤がめざした方向性への不徹底さ、後半は独自の知見と体系性に執着しすぎて、学習者にとっての利便性を犠牲にしたことへの自己批判である。これらは『新英文解釈体系』に対する二度目の批判でもあり、伊藤が「哲学者」から「英語教師」に脱皮するための仮借ない自己批判であった。
 こうして、彼は次なる傑作参考書群の執筆へと邁進する。その一つの到達点が『ビジュアル英文解釈(T・U)』(駿台文庫、1988・89)だった。「ビジュアル」とは、この参考書で勉強すれば「英語の構造が見えてくる」という意味で、「教師でなく学生の立場に立った参考書」(同書「はしがき」)である。体系性へのこだわりは薄れ、重要かつ出題頻度の高い項目に力点が置かれ、読みやすくわかりやすい記述に徹している。
 芯のある柔軟さ。伊藤はしだいにその境地に入りつつあった。

・・・

 日本人の英語学習法は、日常生活を通じて自然に英語を習得する英米人とはおのずと異なる。日本人にとって、英語は外国語として学習する言語であり、特に知的に発達した高校生レベルでは「理解力と分析力」を使って英語の仕組みを合理的に理解させる英文法が不可欠である。理屈もわからずに、ただ反復を重ねれば自然に身につくというものではない。そんな時間も必要性もない。こうした外国語教育論の基本を忘れ、文部省(現・文部科学省)は財界の意向に沿って会話中心の「使える英語」を学校教育に要求し、その反面で文法やリーディング、ライティングを軽視してきた。伊藤が「英語教育の何たるかを知らぬ人が結局は大学・高校・中学の英語を支配している状態」と言った一因は、このあたりにもあるようだ。
 1990(平成2)年、伊藤は駿台英語科主任を高橋善昭に譲る。その高橋は『英文読解講座』(研究社、1986)、『英文和訳講座』(研究社、1990)などの優れた参考書を書いている。ともに伊藤の強い影響が読み取れる本である。
 主任の重圧から解放された伊藤は、これまで以上に執筆に精を出した。1994(平成6)年には『テーマ別英文読解教室』(研究社)を刊行した。伊藤自身、「文の先頭から英文の流れにそって直読直解してゆくときの頭の動きがどのようなものかを分析した点でも、筆者のこれまでの『英文解釈法』の集大成と言ってよい内容になっている」と太鼓判を押す作品である。すでに60代後半に入った伊藤の精神的境地を反映してか、意識の目覚めから死に至るまでの人間の一生を念頭において全22章が配列されている。
 続いて伊藤は、これまで対象としてこなかった高校1年生や2年生向けの英文解釈法を追求した。その成果が高1レベルの『英文解釈教室 入門編』と高2レベルの『英文解釈教室 基礎編』(ともに研究社、1996)だった。さらに翌年には『英文和訳の十番勝負』(駿台文庫、1997)を刊行する。生徒との対話形式で解説を進め、勉強法を伝授しながら英語を読めるように導くという親切な構成だった。かつては「東大スーパー」などのハイレベル・コースを担当していた伊藤が、英語が苦手な生徒たちのところに自ら降りて行き、階段を一緒に上るようにして学力を引き上げていくという筆致である。
 こうして、1964(昭和39)年に初めて姿を現した伊藤和夫の英文解釈体系は、晩年に至るまで進化を続け、入門レベルから上級レベルまで、短文から長文、そしてテーマ別に至るまでの壮大な体系に深化発展したのである。
 しかし、運命は過酷だった。1996(平成8)年になると、伊藤の大腸癌は肺に転移した。全身を襲う痛みの中で、伊藤は『英文解釈教室』の改訂作業を続けた。病室のベッドの上で、学生たちの反応を想像しながら書き上げたのである。こうして、例題の英文はそのままに、解説の部分が格段にわかりやすくなった。直読直解に至るプロセスも明快になった。伊藤が言うように、「教師もまた学生によって作られる」のである。
 自らの生涯の総決算である『予備校の英語』の原稿も、チューブにつながれながら執筆した。しかし伊藤は、最後まで心血を注いだ2つの本とも目にすることはできなかった。1997(平成9)年1月21日未明、静かに息を引き取ったのである。その数時間前、遠ざかる意識のなかで、担当の看護師たちにていねいにお礼を言った。
 「私はもう逝きます。たいへんお世話になり、本当にありがとう」
 これが最後の言葉となった。
 独身で生活も質素だった伊藤の死後には、十数億円の貯金が残された。その貯金は、妹との連名で看護学校の奨学金として赤十字に寄付された。

 明治以降における英文解釈法の歴史を振り返るとき、南日恒太郎(1871〜1928)、山崎貞(1883〜1930)、小野圭次郎(1869〜1952)などとともに、伊藤和夫(1927〜1997)の業績が特筆大書きされることはまちがいない。
 伊藤和夫の英文解釈法は、英文和訳にとどまることなく、英文を英文のまま直読直解する方法を切り拓いた。その点で、旧来の英文解釈書の改良的な延長ではなく、革命的な転換をもたらした。もとより伊藤の業績を評価するためには、英文解釈法のみならず、英文法や英作文、さらには『予備校の英語』に代表される英語教育論も含めた「伊藤英語学体系」というべき全体を対象にしなければならない。その評価については奥井潔(1924〜2000)が次のように述べている(「伊藤和夫氏 頌」9頁)。

「 日本の英学史の中で、英語を学ぶ日本人全体の基礎底辺部に及ぼした影響と浸透度を考えると彼の業績は偉大な英語学者、たとえば市河[三喜]・細江[逸記]らのアカデミックな業績にも比肩する輝かしい貢献であった。たとえ受験産業が崩壊し受験生など存在しない日が到来しても、日本の英語教育界、英語学界は、彼の業績の前を素通りすることは絶対にできないと私は信じている。」

 英語教育史を専攻する私としては斉藤秀三郎の名前も加えたいが、それ以外は奥井とまったく同意見である。
 予備校講師だから、受験参考書だからという理由で英語教育史の研究対象にしないのならば、いつまでたっても日本人の英語教育史・学習史の本当の姿は描けない。伊藤和夫をはじめとする受験英語にかかわった綺羅星の如く居並ぶ英語教師たちや、彼らが残した膨大な学習参考書が、そのことを如実に示している。

pp5〜pp10
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2014年07月14日

2014/6/22TOEIC公開テストで990を取得しました!

 TOEICerワールドに1年半くらい前に出会ったものの1年くらいはTOEICerワールドを横目で見ていましたが、去年の11月ごろから本気で取り組み始めて、いろいろ教えて頂きました。特に5模試Part5,6の音読。ありがとうございました!

 後は、あ〜るさんパターン蓄積とか、他にはいつもTLで刺激をくれる多くのTOEICerの方たちとか、ありがとうございました!

 6月試験の前、あんまり模試を解いたりもできてなかったので、あまりに実感なさすぎです^^;

 今後はSWとか、英検とか他の英語もがんばっていきたいし、自分が思う英語を勉強するコツを他の人にももっとお伝えしていったりしてみたいです!

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

 やはり私が990を取得するのに決定的に重要だったのは、

 SIM伊藤和夫の直読直解法

だと思います。おすすめですよ♪

 よかったら、以下の他の記事もご覧ください。

SIMに連絡したらやはり報奨金をもらえるそう、やった!^^)








posted by tapestry7 at 15:23| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月07日

私の英語学習履歴を踏まえたお薦め英語教材・学習法

 私の英語学習履歴とその中で思った英語を習得するコツを踏まえて、お薦めの英語教材・学習法を紹介します。
 世の中にはいろんなやり方があるでしょうからその1つの参考にでもなればと思います。

0.入門 中学英語の段階

 私の場合は、高1くらいまでは素直に学校の英語をやっていました。またNCB英会話教習所でその会話練習もある程度できました。

 もしいまその段階から勉強しなおそうとするなら、以下2冊あたりが良いのではないかと思います。

 たぶんどんな本でも、初めて知る内容が含まれているなら、1回読むだけで終わらせるのではなく、1回目は、知る、見たことがある、聞いたことがある程度になれば良いと思って半ば無理矢理読み進め、2回め、3回めで確実にちゃんと理解すると思って読んでいくと良いと思います。
 インプットの本をそうやって2,3回読んで定着してきたら、アウトプットの本・音声で、言いたいことを浮かべたらすぐ発話できるところまで、慣れるようにすると良いと思います。

インプット

アウトプット

 中学英語といっても、この段階を使いこなせると相当なものになるというのは國弘正雄さんなど多くの英語の達人が言っていることのようです。


1.基礎〜中級

<基礎>

単語初級
 コツで書いたように「語源」と「文脈」を押さえた記憶法が、労力に対するリターンが大きくて効率的だと思います。
 そのため私は、以下のような本のどちらかをお薦めします。


 単語の覚え方は、たとえば1日50個ずつ、しおりか何かで意味を隠しながら単語を見て意味が浮かぶかをやり、50個全部浮かぶまで何度もやり全部浮かんだらその日はクリア。1日目は1〜50、2日目は51〜100、3日目は101〜150・・・。とやれば『試験に出る英単語』なら22日程度で1周目が終わります。2周目は、23日目に1〜300、24日目は23日目と同じ1〜300、25日目に301〜600、26日目は25日目と同じ301〜600。27日目に601〜900、28日目は27日目と同じ601〜900。29日目に901〜1200。30日目は29日目と同じ901〜1200などやっていきます。大量に毎日見てその単語に出会う回数を多くするというのがコツだと思います。範囲のとり方、反復の仕方は好みのやり方で覚えます。

 他の本でも、私はやってないけど評判の良さそうなのものにDUOなどがあるようですが、それもいいかもしれません。

文法初級〜中級

 冠詞、前置詞、時制等々、ネイティブの感じ方が説明されるので、驚きながら楽しく読めると思います。何度か読むと良いと思います。
 『山口英文法講義の実況中継』を読む前にも、読んだ後にも読むと良いかもしれません。

 ※こんなのが出るようですね(笑) これでも良いかもしれません。

 中学英語がある程度、身についていたら、『山口英文法講義の実況中継』を読み、知らないところもまずは無理矢理でも、100%理解できなくても1回読んで、とりあえず見たことはある状態にして、2回目、3回目に完全に理解するという気持ちで読みます。2回目でもわからなければとりあえず通しで読んでみて、3回目に今度こそわかるようにすると思って読みます。だいたいわかってきたら『問題演習』も読んでさらに定着を図ります。

<中級>


 前の記事で書いてきたように、私は、日本語を母語とする人が英語を習得する過程において、日本語と英語の語順に着目した、「SIM」「伊藤和夫の英文解釈」による直読直解アプローチが決定的に重要だと考えています。現状のSIMの教材では、SIMをはじめるのはこの中級くらいからが良いと思います。
 私自身は高校の時にスーパーSIM(旧称CollegeSuperElmer)の、1,2,3,5,6を重点的に繰り返しやりましたが、英語の語順で英語を理解する訓練としては、高校生のみならず社会人の方でも、やはりこのくらいのレベルの英語からはじめるのがお薦めではあります。ダン上野さんの解説などは少し古い印象になっていますが。
 SuperElmerは最近作られたもので、HyperSpeedもついているし、分割コースもあるので、CBSコースで1,2回分試してみるのも良いかもしれません。

英文解釈・構文解釈

 伊藤和夫先生の英文解釈は、英文を読むときにおそらくネイティブスピーカーがやっているのと同じ頭の働かせ方、具体的な読み方を形を網羅して解説しているもので、一通り身につけるともう読めない英語はほとんどないという気になれるため、私は激しくお薦めするものです。もしかするとこの直読直解の英文解釈の感覚は、國弘正雄先生などなら只管音読で多読してるうちに身につくというのかもしれません。しかし伊藤先生の本なら1冊の参考書で、ちゃんと3回以上くらい読めば身につくので、やはり効率的で良いと思います。
 ただ『英文解釈教室』の評判は、実は難解をもって鳴るというように語られていたりもして、伊藤先生ご本人もそのため、『入門編』『基礎編』『ビジュアル英文解釈』といろいろ工夫した本を晩年に出されていたようです。それでも、私は『英文解釈教室』が簡にして要を得て、英文のパターンがコンパクトにまとめられているので良いと思います。まず『英文解釈教室』に取り組んでみて、もし大変そうだったら、『入門編』『基礎編』に取り組んでからもう一度『英文解釈教室』までたどり着けば良いかと思います。
 1回だけでなく、3回以上くらい読んで、徐々に確かなものにしていくというのは、『山口英文法講義の実況中継』のところに書いたことと同様です。特に『英文解釈教室』は、前後への参照がよくあるので、1回めですべて理解するというより、2回め、3回めに、いま読んでいるところよりも先に書いてあるところがある程度頭に入った上で読むことで理解が深く確かなものになると思います。

単語中級~上級
 私は、文脈主義の最初の単語集じゃないかと思われる森田勝之さんの『「タイム」ボキャブラリー』をやりましたが、今それと同じ方向のものとして、以下の2冊などどうでしょうか。TOEIC対策としては必要十分の単語が身につくと思います。大学入試には速読速聴・英単語のシリーズの中から適切なものを選んでも良いと思います。

 それぞれ1日分は、1冊を20等分くらいにした分量にして、見出し語以外の知らない単語も辞書で調べて確実に進めていき、1時間30分程度の音声を何周も通し繰り返し聴くと良いと思います。私は3日目で一気に1冊全部を聴きましたが。

 TEX加藤さんの『金のフレーズ』というのが有名なようですが、立ち読みして収録単語をチェックしただけで、文脈主義が好きな私には不必要と思ったので私はやりませんでしたが、そちらも良いのかもしれません。

<上級?>
→難関大学入試対策
国立大学等の入試の英語の対策をするには、ここまで書いてきたことに加えて伊藤和夫『英文和訳演習[上級篇]』などをやっておくのも良さそうです。

→TOEIC900台後半を目指すとき
ここまで書いてきたことに加えて

・ロバート・ヒルキ『直前の技術』
 TOEICの全Partの傾向と対策が効果のでやすい順番で書かれています。TOEICの受験技術の入門としては良いと思います。

Part1,2対策
・ロバート・ヒルキ『頂上制覇1&2』
・ヒロ前田、TEX加藤『Beyond990』
・濱崎潤之輔『990点攻略』

 ここまで書いてきたようなことをやるとある程度英語力がついてきていると思います。Part1,2の素直な問題はそれで解けると思います。しかし、問題の中には素直な問題ばかりでなく、変化球のようなテスティングポイントを問うてくる問題もあります。ここで挙げた4冊はそのような「変化球」に対応するものとして、かなり効果的だと思います。

Part3,4対策
 私見では、Part3,4は純粋に英語の対策(SIM+伊藤和夫直読直解を訓練することと、速読速聴・英単語GLOBAL900やSTANDARD1800を繰り返し聴けば十分と思います)をするだけでなく、先読みの技術等を訓練する必要があると思うので、模試を解きながらいろんなやり方を練習するのが効果的だと思います。

(Part3,4の私の先読み戦略) 2014/7/23追記
 5月公開テストから、Part3の先読みは、Part2の30番までには終わっている状態になっていました。
 つまり、Part1,2のDirectionの時に先読みするのはもちろんのこと、それに加えてPart1の問題を解き終わった後の隙間で、Part3の先読みをするのです。Part1でたとえばAで答えが決定したら、後は聞かずPart3を先読みし、次の問題"No.X. Look at the picture marked No.X in your text book."のNo.Xくらいが聞こえたら、Part1の写真に戻ります。Part2はやっている間にPart2の問題を開いている必要がないので、ずっとPart3を開いたまま問題間の隙間でどんどん先読みしていきます。模試で何度か練習すると、早いときは25番くらいの時点で、Part3の先読みが最後70まで完了できたりしたので、野口悠紀雄の『超整理法』にあったように、記憶は時系列で整理されるというのに従い、前から41から順番に70まで先読みしていきました。すると実際その問題にきた時に何問目、何セット目はだいたいこんな問題と選択肢だったというのが思い出され、その時にさっと読むだけで内容を思い出せたりしました。
 3月公開テストの本番の時に問題間の先読みを初めてやったのですが、5月公開テストの前にはこのやり方をもう何度か練習できていたので、5月公開テスト、6月公開テストの本番でも自信を持ってこのやり方で解いていきました。
 このやり方は、ちゃんと正しいタイミングでPart1、2に返ってこれるかどうかのリスクがもちろんありますが、実際、何度か練習すれば問題なくできるようになったし、そのリスクのデメリットよりも、先読みが完全にできるメリットだけでなく次に述べる副次的メリットがあるので、私は基本的にはこのやり方を続けていくと思います。実のところTOEICのスコアは英語力+TOEIC力という時、私の場合は模試の結果から推測すると、英語力はほぼ1月下旬には今くらいの段階に達していて、その後はこの先読み技術や問題を解いた経験数というTOEIC力が伸びたから、6月の990につながったのかもしれないと思います。
 この先読み戦略の副次的メリットとは、Part1,2の問題間はもしこの先読みをしなければ、意外に手持ち無沙汰でやることがなく、雑念から他の事を考えてしまったりして集中力が削がれ次の問題を聴き落とすということがあったりすると思いますが、この先読みをすることで、つまり、Pat3の先読みを必死でやりつつPart1,2に戻るきっかけを聴き逃さないように集中しているうちに、雑念を浮かべている余地などなくなるということです。雑念抑制のための先読みでもあるということです。模試で何度か練習すればできるようになるのではないかなと思います。
 Part4の先読みについては、以上のようなPart3の先読みに充てる事ができた時間がもうないので、まだいろいろと模索中です。

Part5,6対策
・加藤優『900点特急』
 語彙問題の「変化球」的な問題はなかなか対策するのは難しく最後まで対策しきれないものとして残るかもしれませんが、この3冊を解説もじっくり読んでちゃんと理解した後、JIT音読で10周以上すると効果が現れると思います。

Part7対策
・英語力をつける対策 SIM+伊藤和夫直読直解を訓練することと、『速読速聴・英単語STANDARD1800』『速読速聴・英単語GLOBAL900』を繰り返し音読

 『究極のゼミPart7』や、模試を練習することにより、テスティングポイントと解答根拠が文章のどういうところに書かれていることが多いかなどがわかるようになることがここで身につけるべきTOEICの受験技術でしょうか。

全パート対策
・森田鉄也、花田徹也、神崎正哉、ヒロ前田、加藤優、濱崎潤之輔、TEX加藤 Daniel Warriner『ドリーム特急』
 当代の実力、人気備えた講師達の夢の競演です。それぞれ、公開テスト本番でもよく的中する内容になっているようです。

・ヒロ前田、清涼院流水『不思議の国のグプタ』
 TOEICを知り尽くしたヒロ前田さんと清涼院流水さんによる、TOEICの世界観を小説にした本です。
 TOEICの受験技術として、出題されるストーリーには一定の傾向、パターンがあり、それを知ることでスコアが上がったりもしますが、そのパターンの一部を効率的に知ることができたりもする本です。

模試

(韓国)


ここまでやりこなせば、TOEIC900点台後半には届くと思います。
現在の私がいるのはこの辺です。
(2014年6月22日のTOEIC公開テストで990に到達しました)

でも英語学習としては、まだまだ向上する余地と方向がたくさんあるでしょう!
posted by tapestry7 at 02:37| 東京 ☔| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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